ロシア連邦軍事ドクトリン(第4章)


ロシア連邦軍事ドクトリン第3章より続き

第4章 国防の軍事的及び経済的保障

  1. 国防の軍事的及び経済的保障の主要な課題は、軍事的及び経済並びに軍事的及び技術的なポテンシャルを安定的に発展に発展させ、軍事政策の実現及び平時、侵略の脅威が差し様って状況及び戦時における軍事組織の要求を見たるために十分な水準に保持する環境を整備することである。
  2. 国防の軍事的及び経済的な保障の課題は次の通りである。
    a) 軍、その他の軍及び機関に対し、国家の軍事科学上のポテンシャルに基づいて兵器、軍用装備及び特殊装備を供給すること、これらに対して財政、物資及び技術的資源を集中すること及びこれらの利用効率を軍事組織の任務が達成するために充分な水準に向上させること。
    b) 軍、その他の軍及び機関の発展及び使用並びに作戦、戦闘、特殊及び動員準備態勢に関する計画(プログラム)に必要な物質的手段を適時に及び完全に保障すること。
    v) 国家の軍事的及び経済的活動を調整することにより、国防の保障に関する利益、当該の生産領域における軍民の経済セクターの統合、軍事、特殊及び両用目的の知的活動の結果の法的保護に関して軍需産業コンプレクスを発展させること。
    g) 信頼醸成措置並びに世界におけるグローバル及び地域的な緊張の緩和のために外国政府との軍事的及び政治的並びに軍事的及び技術的協力を改善すること。
 軍、その他の軍及び機関に対する兵器、軍用装備及び特殊装備の供給
  1. 軍、その他の軍及び機関に対する兵器、軍用装備及び特殊装備の供給に関する基本的な課題は、相互に連携の取れた一貫性のある兵器システムを開発し、軍、その他の軍及び機関の任務及び目的、それらの形態及び使用並びにロシア連邦の経済的能力及び動員能力に適合した状態を保持することである。
  2. 軍、その他の軍及び機関に対する兵器、軍用装備及び特殊装備の供給に関する課題は次の通りである。
    a) 軍、その他の軍及び機関に対して現代的な種類及びシステムの兵器、軍用装備及び特殊装備を供給(再供給)し、それらの状態が戦闘使用に適合する状態に保持すること。
    b) 共通型コンポーネントを使用して多機能(多目的)型の兵器、軍用装備及び特殊装備を開発すること。
    v) 情報敵対活動を行うための戦力及び装備を発展させること。
    g) 現代的な技術を使用し、世界的な水準の情報プラットフォーム機器及びロシア連邦の情報空間を構成する軍、その他の軍及び機関の統一情報空間を質的に改善すること。
    d) 軍、その他の軍及び機関の兵器システムの機能面、組織及び技術面の統一化を保障すること。
    e) 新型の精密誘導型兵器、その対抗手段、航空宇宙防衛手段、通信、偵察及び指揮手段、電子戦手段、無人航空機コンプレクス、ロボット化攻撃コンプレクス、現代的な輸送航空機及び現代的な兵士用個人防御システムを開発すること。
    zh) 基盤的情報指揮システムを開発すること及びこれを兵器指揮システム及び戦略、作戦及び戦略、作戦、作戦及び戦術、作戦規模の指揮機関用自動化コンプレクスと統合すること。
  3. 軍、その他の軍及び機関に対する兵器、軍用装備及び特殊装備の供給の実現に関しては、国家装備プログラム及びその他の国家プログラム(計画)で規定する。
軍、その他の軍及び機関に対する物資の保障
  1. 軍、その他の軍及び機関に対する物資の保障、それらの備蓄及び補給は、統一され、及び調整された技術及び後方保障システムの枠内で実施する。
  2. 平時における軍、その他の軍及び機関に対する物資の保障の基本的な課題は、各戦略方面における物理的及び地理的な環境並びに輸送システムの能力を考慮し、軍の戦略的展開及び軍事活動の実施を保障する物資予備の備蓄、階層的な配備及び補給を行うことである(経済の各領域及び産業組織の戦時体制への移行時間を考慮する)。
  3. 侵略の脅威が差し迫った状況下における軍、その他の軍及び機関に対する物資の保障の基本的な課題は、戦時の状況及び基準に基づいて部隊(軍種)に対して物資を配布することである。
  4. 戦時における軍、その他の軍及び機関に対する物資の保障の基本的な課題は、次の通りである。
    a) 部隊(軍種)集団の目的、手順、それらの編成時期及び予想される軍事行動の継続期間を考慮して物資の予備を配布すること。
    b) 産業組織が兵器、軍用装備及び特殊装備を納入及び修理する能力を考慮し、軍事行動を実施する際の兵器、軍用装備及び特殊装備の損耗を補充すること。
軍需産業コンプレクスの発展
  1. 軍需産業コンプレクスの発展に関する基本的な課題は、軍需産業コンプレクスが国家経済における多角的な高度技術セクターとして、軍、その他の軍及び機関に対して現代的な兵器、軍用装備及び特殊装備を供給し、世界の高度技術品及び高度技術に関する市場においてロシア連邦の戦略的なプレゼンスを保障することができるよう、その機能の効率性を保障することである。
  2. 軍需産業コンプレクスの発展に関する課題は次の通りである。
    a) 大規模な研究及び生産機構を設立し及び発展させることを基盤として軍需産業コンプレクスを改善すること。
    b) 兵器及び軍用装備の開発、生産及び修理の分野における政府間協力のシステムを改善すること。
    v) 戦略的及びその他の種類の兵器、軍用装備及び特殊装備の生産に関して、国家兵器プログラムを考慮し、ロシア連邦の技術的独立性を保障すること。
    g) 兵器、軍用装備及び特殊装備の生産及び運用に関して、それらのライフサイクルの全段階において物資及び資源(完全に国産の製品及びコンポーネントを含む)を供給する保障システムを改善すること。
    d) 将来型の兵器、軍用装備及び特殊装備の開発を可能とする優先的技術の複合体を形成すること。
    e) 軍需産業コンプレクスのうち、戦略的な意義を有する組織に対する国家的コントロールを維持すること。
    zh) 科学技術基盤及び生産技術基盤の刷新を可能とするイノヴェーションへの投資活動を活発化すること。
    z) 現用及び将来型の武器、軍用装備及び特殊装備の開発、生産及び修理を保障し、並びに従来は十分な能力を有していなかった原理的に新しい種類の兵器、軍用装備及び技術を開発するための技術的飛躍又は従来を上回る科学技術上の蓄積を可能とする軍用及び民生用の基盤技術及びキー技術を確立、維持及び導入すること。
    i) 軍、その他の軍及び機関に対する兵器、軍用装備及び武器の供給に関する効率を向上させ、及び軍需産業コンプレクスの動員準備態勢を保障するための軍需産業コンプレクスの発展に関するプログラム策定及び特定計画策定システムを改善すること。
    k) 将来型の兵器、軍用装備及び特殊装備の開発及び生産すること、軍用製品の品質及び競争力を向上させること及び兵器、軍用装備及び特殊装備の全ライフサイクルに渡る管理システムを確立すること。
    l) 連邦の需要に対する製品の調達、作業の実施及び役務の提供に関する契約メカニズムを改善すること。
    m) 国家国防発注を受注した組織に対し、連邦の法令で規定された経済的な刺激策を実施すること。
    n) 軍需産業コンプレクスの効果的な機能及び発展を保障する組織的及び経済的なメカニズムの導入により、その構成組織の活動を改善すること。
    o) 軍需産業コンプレクスの人材を改善し、及び知的ポテンシャルを強化すること。軍需産業コンプレクス従業員の社会的保護を保障すること。
    p) 優先的な兵器、軍用装備及び特殊装備を規定の量及び品質で開発及び生産するために軍需産業コンプレクス構成組織の生産及び技術上の準備態勢を保障すること。
ロシア連邦と外国政府との軍事及び政治的並びに軍事及び技術的協力
  1. ロシア連邦は、対外政策上及び経済的な合目的的性並びに連邦の法令及びロシア連邦の締結した国際条約に基づき、外国政府との軍事及び政治的並びに軍事及び技術的協力(以下、「軍事及び政治的並びに軍事及び技術的協力」という)並びに地域機関を含む国際機関との軍事及び政治的並びに軍事及び技術的協力を実施する。
  2. 軍事及び政治的協力の課題は次の通りである。
    a) 国連憲章を頂点とする国際法の支配に基づき、グローバル及び地域レベルで国際安全保障及び戦略的安定性を強化すること。
    b) CSTO加盟国、CIS加盟国、アブハジア共和国及び南オセチア共和国との同盟関係並びにその他の諸国との友好的なパートナー関係を形成及び発展させること。
    v) ロシア連邦の参加する地域的安全保障システムの設立に関する対話プロセスを発展させること。
    g) 平和維持部隊へのロシア軍人の派遣を含めて、各地域において紛争状況を防止し、平和を保全及び強化すること。
    d) 大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散対策に関与している諸国及び国際機関との対等な関係を保全すること。
    e) 軍事及び政治的目的で情報通信技術を大規模に使用することによって発生する軍事的危険及び軍事的脅威に対抗するための国家的アプローチに関与している諸国との対話を発展させること。
    zh) ロシア連邦の国際的義務を履行すること。
  3. 軍事及び政治的協力の基本的な優先課題は次の通りである。
    a) ベラルーシ共和国との協力
    国軍の発展及び軍事インフラの使用に関する活動調整
    連合国家軍事ドクトリンに基づく連合国家の防衛力保持に関する施策の策定及び合意
    b) アブハジア共和国及び南オセチア共和国
    相互の防衛及び安全保障のための相互関係
    v) CSTO加盟国
    集団安全保障及び相互防衛を保障するため、CSTOの集団安全保障システムにおける戦力及び装備を改善する努力を結集すること。
    g) CIS加盟国
    地域的及び国際的安全保障の確保並びに平和維持活動の実施
    d) SCO加盟国
    相互の空間における新たな軍事的危険及び軍事的脅威に対抗するための取組の調整並びに必要な法規範基盤の整備
    e) 国連、その他の国際機関(地域機関を含む)
    平和の保全(回復)に関する任務の準備についての計画及び実施プロセスにおいて、軍、その他の軍及び機関の代表者を平和維持任務の指導部に参加させること。軍備管理及び国際安全保障の強化に関する国際的合意の策定、合意及び実現に参加すること。軍、その他の軍及び機関による平和維持(回復)作戦への部隊及び人員の参加を拡大すること。
  4. 軍事及び技術的協力の課題は、連邦の法令に基づいてロシア連邦大統領が決定する。
  5. 軍事及び技術的協力の基本的な方向性は、ロシア連邦大統領による各年度のロシア連邦議会向け教書演説によって形成される。

* * *

軍事ドクトリンの規定は、軍事的危険及び軍事的脅威の性質、国防及び安全保障の領域における課題並びにロシア連邦の発展の条件に関する変更を伴って修正されることがある。

(了)

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