WSI 2014/12/2 北方艦隊の改組とロシア宇宙戦力の将来


★北方艦隊が統合戦略コマンド(OSK)へ

12月1日、ロシア北方艦隊のコロリョフ司令官は、北方艦隊に統合戦略コマンド(OSK)の地位が与えられたことを明らかにした

この件については先日もお伝えしたばかりだが(WSI DAILY 2014/11/27を参照)、依然として実態がはっきりしない。

今回の北方艦隊司令官の発言を見る限りでは、やはり北方艦隊が北極圏を担当する統合部隊となったことは間違いない。ただ、それがOSKである以上、従来の西部軍管区(西部OSK)の隷下にあるわけではないだろう。

とすると、北方艦隊が独立の軍管区を新たに形成したのか、それとも軍艦ではなしに艦隊にOSKの資格が与えられた初めての事例なのか。今のところ、大統領府のサイトにもこの件に関する大統領令はアップされていないが、さすがに軍管区を新設するとなれば大統領令くらいは出る筈である。とすると後者の可能性が高まるが、いずれにしても続報を待ちたい。

 

★航空宇宙防衛部隊(VVKO)の将来像

アレクサンドル・ゴロフコVVKO司令官
アレクサンドル・ゴロフコVVKO司令官

12月1日、ロシア航空宇宙防衛部隊(VVKO)は設立記念日を迎えた。

そこでロシア軍の機関紙「赤い星」がゴロフコVVKO司令官に対してインタビューを行っているので、興味深い点を列挙してみたい。

なお、VVKOは旧宇宙部隊(KV)と空軍の旧航空宇宙防衛作戦戦略コマンド(OSK-VKO)を統合した独立兵科で、軍の宇宙作戦や防空を担当する組織である。

 

北極への部隊配備

  • 12月1日から北極海の島嶼で電波技術部隊が戦闘任務に就いた
  • これは第1段階に過ぎず、2015年にはさらなる配備が続く

統一宇宙システム(EKS)について

(筆者註:ロシアが開発中の新たな弾道ミサイル警戒衛星システムを指す。詳細はWSI DAILY 2014/7/23を参照)

  • 現在は地上管制設備の建設と衛星の打ち上げ準備が進んでいる段階
  • 2015年には最初の衛星を打ち上げ、ミサイル発射の危険性がある地域を24時間監視できる態勢を整える(筆者註:おそらく静止軌道に上げるということだろう)

新打ち上げロケット「アンガラ」について

  • 大型の「アンガラA5」の打ち上げ準備を実施中
  • プレセツクでの打ち上げ試験は2020年まで続く。発射台と整備等をそれぞれもう1つずつ新設する

軌道上の衛星群について

  • ロシアは現在、130基以上の衛星を運用中
  • 偵察、通信、中継、気象、地理などの分野で新型衛星が増加する傾向
  • GLONASSは国家試験を終え、現在は試験運用段階。システムの構築はほぼ完了した
  • 2018年から新世代航法衛星の開発及び試験に関する作業を開始する

さらに国営ノーヴォスチ通信によると、VVKOのネストゥチューク副司令官は以下のように発言している。

EKSについて

  • 2018年までに編成を完了
  • 衛星は10基で編成されることになろう

新型宇宙監視システムについて

  • 2018年に4基の電子光学コンプレクス、4基の電波技術コンプレクス、2基のレーダーが宇宙監視システム網に組み込まれる

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です