WSI DAILY 2014/11/6 ロシアの戦略核演習と新超大型輸送機計画


★ロシア軍の戦略核演習

毎年の秋季大演習(各軍管区持ち回りで実施される)が終わると、今度は戦略核戦力の演習が実施される。

今年もロシア軍は活発な戦略核演習を実施しているが、ロシアの戦略核戦力に詳しいポドヴィグが指摘する通り、これは定期的な性質のものであり、ウクライナ危機に結びつけるのは早計というものであろう。

ちなみに今年の実施状況は次の通りである。

10月29日

バレンツ海から955型SSBNユーリィ・ドルゴルキーがブラワーSLBMを発射(詳しくはWEEKEND WSI 2014/10/31を参照)

11月1日

プレセツク宇宙基地からサイロ発射型トーポリ-M ICBMを発射。カムチャッカ半島のクラ射爆場に命中。

以下の動画は当日の模様であるが、サイロの蓋が開くシーンはなかなか珍しい(蓋の開く速度の早さと、開いてすぐに発射されるのが興味深い)。

11月5日

バレンツ海から667BDRM型SSBNトゥーラがシネーワSLBMを発射。弾頭(複数)はカムチャッカ半島のクラ射爆場に命中。

爆撃機を含む長距離飛行の活発化

10月末からTu-95MS戦略爆撃機を含む軍用機の長距離飛行が活発化した。ワシントン・タイムズにロシア軍機の飛行状況を示す分かりやすいインフォグラフィックスが掲載されている。2014年にNATOが実施したスクランブルは2013年の3倍に相当する100回にも及んでいると言い、こればかりはウクライナ危機が大きく影響しているのだろう。

 

★ロシアが新超大型輸送機を開発へ

An-124-100超大型輸送機(Wikipedia)
An-124-100超大型輸送機(Wikipedia)

ロシアの大型機メーカー、イリューシンのセルゲイ・セルゲーエフ社長によると、同社は2016年からペイロード80t級の超大型輸送機「エルマーク」の開発を開始し、2024年の量産開始を見込んでいる。

ロシアはこれまで超大型輸送機をウクライナ製のAn-124ルスランに依存し、超大型貨物の空輸サービスや軍の戦域間機動に活用してきたが(2014年に実施された中央軍管区抜き打ち検閲や東部軍管区の秋季大演習「ヴォストーク2014」でもAn-124は活躍した)、ウクライナ危機によって製造元のサポートを得られなっている(これについては朝日新聞に優れた取材記事がある)。

ロシアはウクライナと共同でAn-124の生産再開を目指していたが、これもご破算となったため、自力開発へと舵を切ったようだ。

さらに別の記事によると、今後はイリューシンの下に各種の大型輸送機関連メーカーを統合する計画もあるという。これは、イリューシン、OAK輸送機、ミヤシーシェフといった設計局の統合(2015年まで)を第1段階とし、第2段階(2017年まで)ではウリャノフスクのアヴィアスタル-SPとヴォロネジのヴォロネジ航空機工場(VASO)の2つの製造拠点まで統合する計画とされる。


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