WSI DAILY 2014/11/4 ロシア国防予算の見通しとウクライナ軍のヘリ調達


★2015年以降のロシア国防予算

ロシア国防省のボリソフ国防次官によると、2015年の国防予算は3兆2870億ルーブル(約8兆5450億円)で、GDPの4.2%に相当する。

2012年度は2兆4710億ルーブルであるから、8000億ルーブル以上の増加である。

ザヴァルジン国防委員会委員
ザヴァルジン国防委員会委員

さらに下院国防委員会のザヴァルジン委員によると、2016年度の国防支出は3兆1130億ルーブル、2017年度は3兆2370億ルーブルとなる計画であるという。

ロシアの国防予算はここ数年、毎年2桁のハイペースで増加し続けてきたが、この計画通りに行けば2016年度以降は3兆数千億ルーブルの水準に落ち着くことになりそうだ。

ただ、経済制裁、ルーブル安、原油安という三重苦にあるロシア経済にとってはこれでも過大な支出であることには変わりなく、財務省が装備調達費の一部先送りを主張していることは以前お伝えした通りである(WSI DAILY 2014/10/10を参照)。

 

★ウクライナ政府が13機のMi-8ヘリコプターを発注

先月のことになるが、ザポロジェのモトール・シーチ工場(旧ソ連製ヘリコプターが標準的に搭載するTV3-117エンジンの生産拠点として有名)を訪問したポロシェンコ大統領は、ウクライナ軍向けに13機のMi-8ヘリコプターを発注すると宣言した。

内訳は、ウクライナ軍向けが10機、国家親衛隊(ウクライナ危機勃発後、内務省国内軍などを基盤に設立された治安作戦組織)向けが3機であるという。機種は不明だが、報道写真にはMi-8MCB-Vというウクライナの独自改良型が映っている。

以前ご紹介したように、今回のウクライナ危機で、軍は保有するヘリコプター(72機)の3分1にあたる24機を喪失したと見られている(WSI DAILY 2014/8/27参照)。

今回の発注は、こうした損害を補い、ウクライナ軍の再建を目指す動きの一環と言えよう。

報道によると、ポロシェンコ大統領はこの訪問の際、「ウクライナ軍需産業の働きにより、我が軍の再建は国防力を大幅に強化する」と述べてたという。

とはいえ、根本的な予算不足と根強い汚職体質を一掃すること無しには、壊滅的な状態に陥った軍の建て直しは難しそうだ。

ちなみにロシアの軍事ブロガーbmpd氏のブログによると、ウクライナはナイジェリア向けにT-72戦車のアップグレード事業を行っていると見られるが、同事業を担当しているリヴォフ装甲車両修理工場は「国防省の要請があれば明日にでもT-72を軍に引き渡せる」と語っているという。

だが、今のところウクライナ軍にT-72が引き渡されたという情報は見られない。


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