ショイグ国防相に公開された第15旅団の演習

WSI DAILY 2014/8/7


★ショイグ国防相が平和維持部隊を視察

ウクライナへの「平和維持部隊」進駐が取りざたされる中、ロシアのショイグ国防相がその1つを視察した。

ショイグ国防相が視察した陸軍第15旅団で、平和維持部隊に指定されている。

ショイグ国防相に公開された第15旅団の演習
ショイグ国防相に公開された第15旅団の演習

同部隊の視察において、ショイグ国防相は次のように述べた。

「世界は変化している、それも根本的に変化している。過去の例から諸君も承知の通り、この旅団を含む平和維持部隊は予期しないことに対処できねばならない」

「まさにこうした理由で、平和維持部隊は常時戦闘即応状態でなければならない」

また、ショイグ国防相は、平和維持部隊は完全に契約軍人(志願兵)のみで構成される必要があるとも述べた。

さらにショイグ国防相は、第15旅団及び空挺部隊の平和維持部隊において語学訓練を向上させることも指示している。

「平和維持部隊」がウクライナへの軍事介入と結びつけられて取りざたされている現在、ショイグ国防相の視察は明らかにウクライナ情勢を睨んだものと考えられよう(同問題についてはWSI Commentary No.1 Vol.1も参照)

 

★ロシア空軍大演習

 

8月6日、アシュルク演習場においてロシア空軍の大規模演習が開始された。

この演習は西部軍管区と中央軍管区の航空部隊及び防空部隊が参加するもので、事前の発表によると、Su-27及びMiG-31戦闘機、Su-24及びSu-34戦闘爆撃機、Mi-8ヘリコプター、Mi-24武装襲撃ヘリコプター、Mi-28N攻撃ヘリコプターなど合計100機以上が参加する。

このほかにS-300防空システムなど装備品800点と、人員6500名が動員される。

演習はIl-78M空中給油機の支援を受けた長距離機動から始まり、アシュルクでの空戦訓練や射爆訓練が実施される。演習の総指揮はボンダレフ空軍総司令官自らが執り、8日に終了する予定だ。

興味深いのは演習の想定で、西部軍管区と国境を接する仮想敵国「ムルマニヤ」(第1空軍・防空軍連合コマンド)が、中央軍管区と国境を接するロシアの仮想同盟国「ウラリヤ」(第2空軍・防空軍連合コマンド)を攻撃する事態を想定しているという。

また、S-300は仮想敵の巡航ミサイル攻撃を撃退する内容の演習も実施した。

近年のロシア軍の大規模演習では、ロシア又はその同盟国が「非合法武装集団(NVF)」の攻撃を受けた場合を想定するか、または演習の想定事態を公表しない場合が多かったが、今回は2国間の戦争を想定しているというのが注目されるところだ。

これについては、ウクライナ情勢を睨んだ軍事的威圧とする見方を米国務省などが示しているが(実際、その可能性は高い)、ボンダレフ総司令官は「演習は昨年から計画されていたものであり、そもそもアシュルクはウクライナ国境から何百kmも離れている。笑止だ」と切って捨てた

だが、前述のように今回の演習では空中給油機を活用して長距離空中機動(最大で2000kmに及ぶ)が実施されており、「数百km」の距離が大きな問題にならないことは自ら実証している様なものであろう。

 

 


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