WSI DAILY 2014/8/6


WSI Daily 2014/8/6

★2018年までに全ロケット旅団をイスカンデル-M装備に更新

2014年8月5日、ショイグ国防相は、2018年までに陸軍の全ロケット旅団を現行の「2020年までの国家装備計画(GPV-2020)」の枠内でイスカンデル-M戦術弾道ミサイルに更新するとの見通しを示した。

合わせてミサイル保管用などのインフラ整備も進める。

現在、ロシア軍は陸軍1個軍につき1個程度の割合でロケット旅団を配備しており、海軍歩兵部隊も併せると合計10個程度のロケット旅団が編成されていると見られる。

このうち、イスカンデル-Mへの装備更新が完了しているのは西部軍管区の第26ロケット旅団(レニングラード州ルガ)と第112独立親衛ロケット旅団(イワノヴォ州シューヤ)、東部軍管区の第107ロケット旅団(ユダヤ自治区ビロビジャン)、南部軍管区の第1ロケット旅団(クラスノダール州マリウーポリ)の4個。このほかに訓練部隊として、南部軍管区のカプスティン・ヤール射爆場にある第60戦闘訓練センター第630独立ロケット大隊がある。

各ロケット旅団はランチャー12基を装備する(ランチャー1基あたり2発のミサイルを装備。このほかに予備弾がつく)。

モスクワ市内で戦勝記念パレードの予行を行うイスカンデル-M発射機(Vitaly Kuzmin)
モスクワ市内で戦勝記念パレードの予行を行うイスカンデル-M発射機(Vitaly Kuzmin)

これまでのイスカンデル-Mの配備ペースを見ると、2011年に1個旅団、2013年に2個旅団、2014年に1個旅団がイスカンデル-Mへの更新を済ませている。

特に2013年以降は、これまでのように少しずつミサイルやランチャーを納入するのではなく、1個旅団分を量産した上で旅団を一遍に更新してカプスティン・ヤールで引き渡すという方式が採用された。

今後の配備については、アルメニアに駐留する第102ロシア軍事基地(102RVB)へのイスカンデル-M配備が取りざたされているが、公式には確認されていない。

問題は、これらの旅団が装備しているのが全てイスカンデル-Mかどうかという点だ。

WSI DAILY 2014/7/29でもお伝えした通り、イスカンデル配備のロケット旅団はM型だけでなくR-500巡航ミサイルを搭載するK型との混成になっている可能性がある。

上記の記事でお伝えした以外にも、昨年6月末に第107ロケット旅団がイスカンデルを受領した際の引き渡し式典にはM型だけでなくK型のランチャーが映っている(ロシアの軍事専門家イーゴリ・コロトチェンコのブログを参照)。

もともとイスカンデルは同じプラットフォームのランチャーを換装するすることで M型としてもK型としても運用することが可能なように設計されているため、配備済みのイスカンデル旅団はすでにK型の運用能力を持っているということは充分に考えられる。

であるとするならば、米国が提起しているロシアのINF(中距離核戦力)全廃条約違反疑惑にも大きな影響が出てきそうだ。


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