WSI DAILY 2014/8/5


WSI Daily 2014/8/5

★空挺部隊設立記念日とその将来像

8月2日、ロシア空挺部隊(VDV)は設立記念日を迎えた(ちなみにこの日は1930年のモスクワ軍管区大演習で初の大規模空挺降下演習が実施された日である)。

これに合わせて空挺部隊の今後に関する重要な情報が幾つか出てきたのでご紹介する。

空挺部隊のシャマノフ司令官によると、同部隊は今後、2025年までに4000両以上の各種装甲車両を受領する。内訳はBMD-4M空挺歩兵戦闘車1500両とBTR-MDMラクーシュカ空挺装甲兵員輸送車2500両以上。ただし、2025年ということは現行の「2020年までの国家装備計画(GPV-2020)」の範囲を超え、その後継計画として策定中の「2025年までの国家装備計画(GPV-2025)」まで睨んだものと考えられ、この数字が国家指導部によってまだ正式に承認されているというわけではないと思われる。

BMD-4M空挺歩兵戦闘車
BMD-4M空挺歩兵戦闘車

BMD-4Mは今年から空挺部隊で受領試験が始まった段階で、実戦配備は来年からとされている。2015年のBMD-4Mの調達数は64両、ラクーシュカは20両とされている。

また、シャマノフ司令官によれば、以上のような装軌式車両には機動性の制限が大きいことから、今後はKamAZ製の装輪式汎用装甲車両も導入する。

航空戦力についての情報も出てきた。シャマノフ司令官は今後、軍需産業と協力して「敵後方で偵察・攻撃任務を果たせる無人機(UAV)を開発する」と述べている。

偵察のみならず攻撃にも使用できるUAV(UCAV)となるとそれなりの規模の航空部隊ということになるが、シャマノフ司令官は前々から空挺部隊が独自の航空戦力(ヘリボーン用のヘリコプターなど)を保有する必要を主張してきた。

シャマノフ司令官は今回の記念日にあたり、空挺部隊に陸軍航空隊を加えて緊急展開部隊へと発展させるとの構想も述べており、どうも92年にグラチョフ国防相(当時)が提起した「機動軍」構想の復活を目論んでいるように見える。

このほかには、空挺部隊内で唯一の特殊部隊である第45特殊任務連隊に加えて、第76空中襲撃師団、第7空中襲撃師団、第106空挺師団に1個ずつ(合計3個)偵察大隊を設置する(12月1日まで)。

さらに2015年には北方艦隊が北極で実施する式参謀演習に合わせ、ロシアとベラルーシの空挺部隊が合同で北極への展開を実施するという。これについては北極に対するNATO諸国の関心が高まっており、ロシアの国益を守るための措置であるとしている。

(ちなみに北極に関するロシアの見方としてはWEDGの拙稿も参照されたい)


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