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WSI DAILY 2014/8/24


★黒海艦隊の近代化状況

ウクライナ問題を巡って重要正面となりつつある黒海だが、2008年のグルジア戦争後に始まったロシア黒海艦隊の近代化が具体的な形を取って現れつつある。

その中核となるのが、6隻の636.3型(改キロ級)通常動力型潜水艦だ。これまで黒海艦隊は2隻しか潜水艦を保有していなかったため、計画が実現すれば、黒海に展開する西側のシーパワーに対する有力な接近拒否アセットとなる。

その636.3型の1番艦ノヴォロシースクが8月22日、海軍に引き渡された。就役式典にはショイグ国防相が参加していることからも、期待の高さが伺えよう。

また、636.3型を建造しているアドミラリティ造船所によれば、2番艦ロストフ・ナ・ドヌーは2014年中、3番艦スタールィ・オスコルは2015年中に海軍に引き渡し予定であるという。実際、スタールィ・オスコルは8月28日に進水予定と報じられる。

これまでのロシア海軍では考えられないようなハイペースだが、それだけ国防予算の裏づけがしっかりとできてきたこと、価格や調達の管理システムが機能するようになってきたこと、そして何より、黒海の戦略的重要性が高まっていることがその背景にはあると考えられよう。

 

★東部軍管区における抜き打ち演習の結果を高く評価

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8月25日、ロシア軍東部軍管区広報部は、8月6日から実施されていた東部軍管区抜き打ち演習の成果について言及し、同軍管区司令官のスロヴィキン大将がこれを高く評価したと発表した。

同演習は東部軍管区隷下の空軍部隊と太平洋艦隊を対象としたものであり、スロヴィキン大将によれば、東部軍管区としては初めて取り組む困難な課題を成功裏に達成した。

具体的には、東部軍管区隷下の陸軍部隊を航空機、艦艇、鉄道で機動させることや、戦闘機・爆撃機・陸軍航空隊所属機を平時の所属基地からあまりなじみのないカムチャッカやサハリンの飛行場に短時間で展開させることなどが挙げられており、全体的に長距離機動に重点を置いたものであったことが分かる(これは少し前に行われた中央軍管区抜き打ち演習にも通じる)。

さらに東部軍管区では間もなく定例の大演習「ヴォストーク2014」が始まるところであるから、その下準備という意味合いもあったのだろう。

日本で騒がれた北方領土での演習も、この抜き打ち演習の一環であったとすると、評価の仕方を少し考える必要があろう。

 

★米国科学者連合(FAS)の新着論文

FASからPublic Interest Reportの最新号Summer 2014– Volume 67 Number 3が出た。以下、筆者の関心を引いたものとして以下2点の論文をご紹介する。

Rebecca Slayton, The Fallacy of Proven and Adaptable
Defenses. 
Charles D. Ferguson, The Nuclear Guns of August.


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