WSI DAILY 2014/7/17


WSI Daily 2014/7/17

★ウクライナからの輸入代替について 統一エンジン製造会社見解

2014年6月、ウクライナのポロシェンコ大統領は、ロシアに対するあらゆる軍需製品の輸出を禁じた。

すでに広く報じられているとおり、ロシアはヘリコプター用エンジン、艦船用エンジン、ロケット部品などをウクライナに依存している。

しかし、ロシアはウクライナへの依存は数年程度で解消できるとしており、輸入代替体制の確立に向けた動きを進めている。

ロケットについては、先日、新型の「アンガラ」ロケットの打ち上げに成功したことで、ウクライナ製誘導システムを搭載した「プロトン-M」の代替は今後、なんとか目処がつきそうだ(もっとも、今回打ち上げに成功したのは小型バージョンのアンガラ1.2PPであり、大型のアンガラA-5の初打ち上げは年内に予定されている。詳しくはこちらを参照)。

一方、より大きな問題となっているのは各種エンジンだ。

ヘリコプター用エンジンに関して言うと、これまで旧ソ連諸国で幅広く使用され、主力輸出品ともなっているMi-8/17輸送ヘリコプターやMi-24ヘリコプター、新型のMi-28N攻撃ヘリやKa-50攻撃ヘリはいずれもウクライナのモトール・シーチ社が製造するTV3-117シリーズを搭載している。

しかし、ロシアのエンジン・メーカー連合であるODK(統一エンジン製造会社)はサンクトペテルブルグに新工場を建設中であり、その本格稼働によって従来のモトール・シーチ製エンジンを代替できるとしている。

国営ノーヴォスチ通信に対してODK関係者が述べたところによれば、サンクトペテルブルグの新工場は2014年に年産60基、2015年に120基を生産できる見込みであり、最終的には年産500基が見込まれているという。

エンジンの形式については触れられていないが、TV3-117をロシアで国産化したクリモフTV7-117か、新規設計のパワーアップ型VK-2500が想定されていると思われる。

前述のヘリコプターは1機につき2基のエンジンを搭載するため、単純計算で250機分のヘリコプターに対応できる数字だ。

一方、艦船用エンジンについても、すでに国産ガスタービンエンジンが開発されており、今後の新型艦艇の搭載エンジンを国産化することは可能であるとしている。

 

★ベラルーシにS-300防空システムを供与

2014年7月10日、連符軍事技術協力庁(FSVTS)のビリューリン副長官が述べたところによると、ロシアはベラルーシに対してS-300防空システムを4個大隊分供与する計画である。

S-300のバージョンについては明らかで無いが、以前供与されたのが初期型であったのに対し、今回供与されるのは「ファヴォーリト」とされていることから、中国等に供与されたのと同じS-300PMU2になると思われる。

ロシア軍が調達中のS-400を除くと、S-300シリーズ中でもっとも新しいバージョンだ。

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S-300PMU2防空システム

ただし、ベラルーシ側から契約への正式調印はまだであるといい、調印後に供与が行われる。

問題は、その運用構想だ。

ロシアはカザフスタンにもS-300(ただし旧式バージョンのS-300PS)を無償供与し、運用はカザフスタン側が、指揮はロシアとカザフスタンの合同司令部が実施し、防空網を統一することを計画している。

ベラルーシの場合には、今年初めからベラルーシ西部のバラノヴィチ基地にSu-27SM3戦闘機が配備されているが、こうした統一防空システムの設立には至っていない。

今回供与されるS-300がカザフスタン型の統一防空システムの下で運用されるならば、ロシアが外国との間で形成する2例目の防空システム統一化ということになろう。


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