WSI DAILY 2014/7/11


WSI Daily 2014/7/11

★中央軍管区における抜き打ち演習について 米専門家見解
6月に中央軍管区で実施された抜打ち演習について、米国のロシア軍専門家ロジャー・マクダーモットが非常に興味深い指摘を行っているので、目についた点を何点か挙げておきたい。

・戦略機動性の重視(他の軍管区からも兵力を長距離起動させた)
・中央軍管区自体からも大兵力を動員
・これはアフガンから米軍が撤退した後の中央アジア不安定化を睨み、軍事介入を行う能力を訓練する目的であった
・CSTO(集団安全保障条約機構)の合同緊急展開部隊(KSOR)を支える大規模かつ長期的なオペレーションが必要になるとモスクワは見ている
・今年秋には極東でヴォストーク2014演習を実施。これは日・中・米に対し、ロシアが極東とアジア太平洋の国益を守る意思があるというメッセージとなろう

ここで取り上げた中央軍管区抜き打ち演習とヴォストーク2014については筆者も非常に注目しているところであり、秋に『軍事研究』誌で詳しく扱うこととしたい。

★ウクライナへの米露の援助
『キエフ・ポスト』によれば、7月9日、ロシアから新たに2個大隊の武装勢力がウクライナに侵入した。
一方、米上院で開催されたウクライナ問題についての公聴会で、米国防総省のデレク・チョレット国防次官補が証言したところによると、米国はウクライナに対して3300万ドル分の軍事援助(非殺傷的なもの)を提供している。
その内訳としては、次のようなものが挙げられている。
・応急処置キット1929セット(6月中)
・無線機80台、就寝時用のマット1000枚、制服5000着(6月中)
・防弾ベスト2000着(7月4日までに供与)

★BMD-4M空挺歩兵戦闘車8両を試験配備
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2014年7月9日、ロシア空挺軍は、新型のBMD-4M空挺歩兵戦闘車8両を受領したと発表した。8両はトゥーラの第106親衛空挺師団へと配備され、今年12月までかけて実戦配備に向けた国家試験を行う。
BMD-4Mは輸送機からパラシュートで空中投下できる空挺歩兵戦闘車であり、現行のBMD-2及びBMD-3の後継となる。
もともと空挺部隊は2000年代にはBMD-4(BMD-4Mの原型)とスプルート-SD空挺対戦車自走砲(事実上の空挺戦車)による装備近代化を予定しており、2008年には改良型のBMD-4Mも登場した。しかし、2010年、セルジュコフ国防相ら当時の指導部は「コストパフォーマンスが悪い」などとしてBMD-4Mとスプルート-SDの調達打ち切りを決定。だが、シャマノフ空挺部隊司令官は、BMD-4Mは絶対に必要な装備であるとして譲らず、度々国防省と対立してきた。
だが、セルジュコフ国防相失脚後の2013年、国防省は10両のBMD-4Mの発注を認めており、今回納入された8両はその一部と思われる。


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